油そば食べもの
20250531
油そばがいまブームだそうですよ。味のことだけでなく、提供するお店にも食べる消費者にもそれぞれメリットがあるらしいです。
油そばという存在を知ったのは、1997年頃。当時読んでいた週刊誌、小野員裕氏のグラビア連載記事で取り上げられていました。東京は武蔵境の「珍々亭」というお店で、何しろインパクトあるネーミングで写真も迫力があって、これは試してみたいと思ったのです。
それから間もなく、ICU(国際基督教大学)に用事があった際にこの店にJCの仲間数人と訪れて食べてみたのが最初の遭遇でした。(Wikiを見ると連載されていたのは2002年頃とありますが、間違いでは?)確かに油でペタペタして異様な食感でしたが、タレの味がちょうどよく、食後に胃がもたれることもなくて美味しくいただきました。
珍々亭はこのメニューを1950年代から始め、油そば発祥のお店と言われているそうです。武蔵境に行く機会はそれ以来なく、再訪していません。当時は他に類を見ない、文字通り珍々品だったと思いますが、その後専門店がどんどん増え、伊那谷にも登場するほどになっています。
油そばには、スープがありません。作るのに原価のかかるスープがないことで、スープを煮込む燃料費も節約できます。先日の日経MJ(一面で特集)によれば「店のガス代は一般的なラーメン店と比べて半分程度」だそうです。原料エネルギー高の当節、これは大きなメリットです。
食べる側にとっては、まず「油」そばでありながら意外とカロリーも塩分も低く(やっぱりスープがないため)実はヘルシーなんだとか。また店の中に漂うスープの香りが衣類などにつくこともあまりないため、女性客にも人気なんですってよ。
やはり汁なし麺で「まぜそば」というジャンルも人気ですが、油そばとまぜそばはどう違うんでしょう。考えたことないですね。油そばはそんなわけで東京発祥、まぜそばは名古屋の「麵屋はなび」が発祥といわれますが、本質的にはどちらも同じようなものだと思います。「汁なし担々麺」も一種のまぜそばか?あれには、油はないけれど。
新聞を読んで本欄で取り上げたくなったのですが、記事を書いているうちに食べたくなってきた。インスタントもありますが、本格的なものを家庭で作るのは難しそうですね。 …と思ったら何のことはない、珍々亭監修の即席麵も販売されているではありませんか。
トップが変われば日々雑記
20250529
小泉進次郎氏って人は、良くも悪くも話題の中心にいなくては気のすまない人ですねえ、まったく。彼が農水大臣になった途端に、前任者の失言なんてどっかへ行ってしまいました。
「お米を買ったことがない」などと現職の農水大臣がのたまったのは、さすがにこのコメ不足・高騰のご時世に許されることではありません。でもそれはあくまで引き金で、結局はコメ不足・米価高騰への対策なんて前大臣はなーんにもしていなかったことが明らかになりました。
進次郎氏が農水大臣になったとたん、備蓄米は随意契約になり多くの大手スーパーや通販業者が手を挙げて、たちまち市場に出回る…ことになりそうです。んー、本当に出てくるのかな。
私としては街のお米屋さんや中小スーパーへの備蓄米放出が後回しになったことはとても不満です。タイミングのことだけではない、大手業者には古古米を渡し、中小には古古古米を渡すんですって。いくら迅速さが優先だといっても、これはひどい。
リンク先より中小スーパーの声。「中小スーパーに対しては、大手に配るコメよりも古いコメを対象として配るということでその違いは何なのかと、非常に疑問に感じる。(大手小売りと)1年、古さが違うものを取り扱わなければいけない、もしくは販売しなくてはいけない状況になってしまうと、非常に店としても、その評判を気にせざるを得ない。平等性に欠けていたのではないかと」…まったくごもっとも。怒るのも当たり前です。
日本人はお米の味については本当に厳しいですからね。「1993年平成の米騒動」のことを思い出しても、アメリカやタイの米への拒否感たるや大変なものだったのですから。古古古米(もちろんブレンドして販売するのでしょうけれど)が出回って、さて消費者がどんな反応をするでしょうか。
短期的には一応の「対策」が示されたことで、安心した人は多いでしょう。根本的なコメの生産・流通問題にまで切り込めるかどうかは、注目です。参議院選挙がすぐ後に控えていますしね。進次郎君は大事なことをカッコよく言い切ることで人気を集めていて、またそういう効果を自民党も期待していると思いますが、政治家なんだから大事なのは、それをやれるかどうかです。
関連リンク: 小泉大臣の“備蓄米放出”に、街の米店から“怒りの声”
笹巻道明寺食べもの
20250520
5月中旬頃、柏餅に代わって和菓子屋さんに並ぶ「笹巻道明寺」。餡を道明寺で包んだシンプルなお菓子です。私は子供の頃から偏愛しています。どうしてこんなに好きなのかなあ。
そもそも道明寺(道明寺粉)とは何か。道明寺というお寺があるんだろうとは思っていましたが、調べると大阪は藤井寺市にあるそうです。7世紀半ばからある古刹で、菅原道真公ゆかりの尼寺なんですって。
そこでなぜ道明寺粉なんでしょう。(以下、wikipediaより)…水に浸し蒸したもち米を乾燥させたものを糒(ほしい)といい、古くから保存食や軍糧に用いられてきた。現在の大阪府藤井寺市にある道明寺の尼僧が作る「道明寺糒」がよく知られることから、糒を適当な大きさに挽き割ったものを道明寺粉と呼び、和菓子の材料などに用いられる。 …
桜もちに2種類あるのはご存じだとおもいます。関東風の長命寺桜もちは、薄く焼いたクレープ状の生地で餡を巻いたもの。関西風は道明寺で餡をくるんだもの。このあたりでは前者が多いと思いますが、関西風も最近(スーパーなどで)増えているようです。
どっちが好きかといえば、私は迷いますが道明寺の方が好きですね。そして笹巻道明寺が好きなのも、その延長かな。いや桜餅に二種類あることを知らなかった子供の頃から、笹巻が大好きなのですから延長ってことはありません。
笹の葉をむいて現れる白いお米の粒粒、ほのかに笹の香りがして「早く食べて」と言っているよう。齧りつくとたっぷりした甘い餡。やや小ぶりなのも、2個目を誘う策略だったりして。シーズンに何度も食べるわけではなく、また来年に気持ちを残すくらいがいいですね。 ちょっと何言ってるんだかわからない。すみません。
ブリティッシュ・ベイクオフ読んだり見たり
20250516
BBCが制作し、現在NHK教育TVで毎週木曜夜に放送されている番組「ブリティッシュ・ベイクオフ」。これは面白い。録画して二度ずつ観ています。
12人のアマチュアベイカー(baker、焼く人)が登場します。それぞれ趣味の菓子やパン作りで腕に覚えのある人たち。パイ、ビスケット、パン、プディングなどさまざまな課題にチャレンジし、厳しい審査により最下位の一人が脱落していく、よくある形の料理コンテスト番組です。本家イギリスでは既にシーズン15まで放映されている人気番組で、NHKではもともと60分の番組を一週30分ずつに分け、現在はシーズン5がオンエアされています。(国内CS放送では、既にずっと先まで放送されているみたい)
挑戦するベイカーたちはさまざまな年齢・経歴・職業で、今回最年少は17歳の女子高生、最年長はたぶん70代のおばあちゃん。審査を務めるのはポールとメアリーの二人で、ベイカーたちが悪戦苦闘した作品を大変厳しく、時にはこっぱみじんに批評します。それだけに、たまに味が高く評価されると皆ほんとうに嬉しそう。
審査員二人が特にこだわるのは、良く焼けているかどうか、です。フィリングを入れたお菓子やパンで、焼いているうちに具から水分が出てしまうことがしばしばあります。作成途中、ベイカーに「この具は水分が多いぞ、大丈夫か?」とヒントを投げているのに、ああ…と思っていると、完成品は予想通りナマ焼け。小麦粉の美味しさはやっぱり、火が通ってこそですね。
続けてみていくとベイカーの個性が出てきます。過去に登場した女性は、出来上がりの見た目は実に独創的で素晴らしいのに、味が伴っていないと毎回言われ続け、それでも最後まで見た目にこだわりました。決勝ではみごとに味と見た目を両立させました。この姿勢は実に印象的でした。
毎回変わるチャレンジの題材を見るのも楽しいです。シーズン4では本欄で何度か言及した「スェットプディング」が登場しました。イギリスの伝統的なお菓子で、子供の頃読んだドリトル先生では「アブラミのお菓子」と訳されています。どんな味と形なのかイメージが湧かなかったのですが、この回で実物を初めて見ることができました。ああ、食べてみたい。どなたか国内で入手できるところ、ご存じないですか?
12269人のバンド音楽ばなし
20250513
一万人を超えるマーチングバンド。どんな音がしたのでしょう。
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(読売新聞)大阪・関西万博会場(大阪市此花区)の大屋根リングで11日、関西を中心に集まった1万2269人が行進曲「星条旗よ永遠なれ」などを演奏し、「最大のマーチングバンド」としてギネス世界記録に認定された。(中略)小中高校など約300校の吹奏楽部や一般の楽団から演奏者が色とりどりの衣装や制服で参加し、1周2キロの大屋根リングを時計回りに行進しながら10分以上、管楽器や打楽器によるハーモニーを響かせた。
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何度か書いていますが私はパレードを見るのが大好きで、消防の出初式(れっきとしたマーチングバンドでしょう)で喇叭と太鼓の音が聞こえてくるとすぐ家を飛び出して見に行きます。
先日東京に行った折、新宿の書店で本を物色していましたら賑やかな音が聞こえてくる。通りに出てみると、交通安全キャンペーンのイベントで警視庁音楽隊がパレードをしています。曲はスーザの「エル・キャピタン」、さすがに上手です。以前ここの音楽隊長を務めていた大学の先輩を思い出しました。
閑話休題、リンク先に今回の万博巨大バンドの動画があります。12269人の演奏するタイミングとテンポをどうやって合わせるのか、どこかにリーダーがいて大画面で指揮を見せるのか? 何百メートルも離れたところで演奏するなら時差が出るのは間違いない。興味津々で観ましたが、何てことはない、合わせようとする気も(あまり)ないですね。各バンド見事にてんでんバラバラでした。ま、無理なものは無理だ。
ピシッと決まったユニホームの団体もあれば、私服でゆるく参加している団体もあり、それぞれです。参加した皆さんにとっては珍しい体験で面白かったのではないですか。あの大きなリングの上を行進演奏することなんて、なかなかできないことだし。
ただ気になるのは、曲目です。何で「星条旗よ永遠なれ」なんですか?学校をはじめとするあちこちの吹奏楽団でこの曲がいま異常に推されているのは、かつて指揮者の佐渡裕氏と「題名のない音楽会」がやたらと取り上げたのがきっかけだと思います。
この曲はよくできた行進曲ではありますが、タイトル通り、アメリカの愛国曲ですよ?日本で開催される万国博覧会の会場で、こうしたイベントで演奏するのは変でしょう。日本の曲でやってほしかったですねえ。
関連リンク: 大阪サンスポちゃんねる
フォースと共に音楽ばなし
20250508
今年のゴールデンウィークは前半後半がはっきり分かれています。11連休を楽しめる人は羨ましいですが、そうでなくても気持ちの良い季節に連休を楽しめることは貴重なことですね。当社のお客様も書き入れ時ですから、しっかり稼いでいただきたいものです。
いろいろなイベントが開かれているわけですが、わが伊那フィルも連休初日、伊那文化会館主催の「伊那ぶんぶん子どもまつり」に参加してオープニングのミニコンサートを行いました。
野外での演奏ということで天候が心配され(弦楽器や木管楽器は太陽の日差しにも雨にも弱い)小雨でも中止という前提で準備されましたが、幸い当日は暑からず寒からずの良い天気に恵まれました。
どなたも聴いたことがあるであろうポピュラーなクラシックや映画音楽を4曲演奏し、来場した(そう多くはない)親子連れなどのお客さんに楽しんでいただきました、たぶん楽しんでいただいたと思います。
「スター・ウォーズ」組曲から2曲を演奏しましたが、ちょうど本番前夜、TVで「エピソード4/新たなる希望」を放映していたという偶然。連休中もいろいろな場面でスターウォーズがやたらと目につくと思っていたら、5月4日が「スターウォーズの日」になっていたんですって。いつからなんだろう、初めて聞きました。
第1作の公開記念日かと思ったら、映画の名台詞「フォースと共にあらんことを May the Force be with you」が、May the 4th と語呂が似ているからなんだと。ふーん、だから何なん…
使った楽譜は作曲者ジョン・ウィリアムスが書いたオリジナルスコアで、きちんとやろうとすると大変難しいのですが、途中にWith Great Forceという指示が出てきます。スコアを見たときは笑ってしまいました。否が応でも力の入る曲想の場面で、なるほどと思います。ほかの曲にも応用できる発想記号(テンポや表現方法を指示する音楽用語)かもしれません。
アフターヌーンティー食べもの
20250502
万博。イギリス館のレストランで供された「伝統のアフターヌーンティー」が、とても価格に見合う代物ではなかったとしてSNSに投稿され、関係者が釈明のコメントを出す事態になりました。
発端は上の写真。投稿者は5000円のアフターヌーンティーを注文し楽しみに待ったところ、紅茶は紙コップにティーバッグ、スコーンはメニューでは2個と記載されていたのに1個しかない、など期待を大きく裏切るものだったと書いています。紅茶のお湯のお代わりもない。外国人スタッフに苦情を言ってもキョトンとした様子で、渋々追加を持ってはきたが、どうなってるの?ということだったそうな。
炎上?し話題となったことを受け、イギリスの万博政府代表が「英国パビリオンでみなさまから寄せられる声を大切にし、より快適な時間を過ごしていただけるよう取り組んでいきます」と動画を投稿し、その後すぐに紅茶は陶磁器のティーカップで供されるようになったとか。対応が早いのは良いことだ。
アフターヌーンティーは写真やTVで見るだけで体験したことがありません。3段重ねの什器にこぼれんばかりのお菓子やサンドイッチが盛り込まれ、ポットの紅茶を何杯もお代わりしながら午後の優雅な時間を楽しむ、ものだと理解しておりました。紅茶をお代わり、というのが大きなポイントですよね。
パビリオン内のレストランがどのような雰囲気なのかな。ファストフードに毛が生えた程度のものだったなら紙コップという発想もありかもしれませんが。だいたい万博自体がガヤガヤしたイベントなので、ゆったりした時間をゲストに過ごしてもらうのは難しそうです。
いつも不思議に思うのは、こんなにたくさんのフードをみんな残さず食べているのかなということ。満腹なのに無理して口に入れていては、優雅な午後とはいえません。お昼は抜いて臨むのはもちろんのこと、平均的な女性ならたぶん晩ご飯も要らないですね。持ち帰りできる店が多いだろうとは推察しますが。
伊那谷でもアフターヌーンティーを提供しているお店がありますよ。当社お得意様、下伊那郡松川町の「光輪亭」というカフェ。3営業日前までに要予約だそうです。たまには時間を忘れて、優雅な午後を楽しむのもいいですねえ。
関連リンク: 光輪亭のホームページ